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【シン・ゴジラ】俺も好きに生きるよ。みんなも好きに生きな。 [映画]

シネマイクスピアリを愛し続けた日々もそろそろ終わりを迎えます。
全映画を1000円で観られる環境があったから、ここまで映画を好きになったような気がします。引っ越しても時々来ます、ありがとう東京ディズニーリゾート!

25回目の記事は現在公開中の「シン・ゴジラ」について。
・「シン・ゴジラ」 2016年7月29日公開 【映画】

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普段は邦画を全然見ません。遅すぎる展開、長すぎる表情写しとセリフ回し、2人くらいの主人公にだけ感情移入を押し付けてくる感じ、エンターテインメントのない世界観。ジャック・バウアーなら3秒で表現して次のシーンに行くよと何度心の中で突っ込んできたことか。
ここまで長いネガティブな前置きはこの一言のために書きました。
庵野監督すげえーーーーー!!!!邦画捨てたもんじゃねー!

はい、今年一の邦画と言ってもいいでしょう、いいよね、実写版エヴァンゲリオン、間違えた、大怪獣ゴジラシリーズ最新作、シン・ゴジラ!
現実vs虚構というキャッチフレーズがここまでしっくりくるとは。この2つのバランスがとてつもなく良い。
映画にありきたりな都合の良い展開もなく、実際にゴジラが東京に現れたら日本はこう対処するのだろうなーというのが丁寧に描かれています、ここまで皮肉も含めて丁寧に描き切ってしまってもいいのかと勝手に心配するレベル。
だから邦画特有の嫌味がない。主人公枠は一応3人いるけれど、深掘りしすぎるでもなく、またすべての登場人物にリスペクトを払っているストーリー運びが続きます。膨大な登場人物の役職や名前を一々全て表記していくのがここで生きてきます。
これは日本というチームの映画です。一人の圧倒的ヒーローはいないけれど、個人がそれぞれ社会で自分の役割を全力で果たしていき、集団として日本を救うことだってできるというお話。
観終わったときあなたは多分こう思います。「ああ、日本も悪くないな。」

庵野監督はこの映画をこの時期に作ることに対して、ファンへの深い気遣いを持っています(考察)。
ゴジラという歴史のあるファンの多い作品をもう一度復活させるにあたり、第1作目のゴジラへのリスペクトに溢れている作品模様。スターウォーズのエピソード7を思い出します。
そして、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を待ち侘びている庵野ファンには、これでもかというエヴァ好き向けサービスの応酬。音楽も登場キャラもカット割りも展開もヤシマ作戦もといヤシオリ作戦も、最初から最後までエヴァ尽くしでしたね。序のストーリー展開に、破を見た後の衝撃を加えた感じ。アニメは世界観から虚構になってしまうので、現実の中の虚構の登場を描くにはゴジラが最適だったのだと思います。

大きなテーマとして東日本大震災と福島原発をゴジラに重ねたようにも感じました。初代のゴジラが原子爆弾の恐怖の象徴として生まれましたし、今回の映画の構成が3.11から時系列での政府などの対応とそっくりだったからです。
小さなセリフ一つ一つでも社会問題を絡めてきている本作でしたが、やっぱり震災があってからこの作品を作ろうと思ったのではないかなーと個人的には考えます。
まあ、庵野監督の映画は考察してナンボですけどね。考察と言えば意味深なラストシーン、さすがのお家芸です。

「総理、ここは苦しいところですが、被害の拡大を防ぐためにも総理のご決断をいただかないと。」
「今ここで決めるのか。聞いてないぞ!」
皮肉の効いた素晴らしいセリフ回しでした笑
日本という国の特徴を知っているからこそ、長い会議室でのセリフ回しをコメディとして見ることができ、今まで見てきたシリーズもののようにストンとすぐに世界観に入り込めるのだと思います。そこらの現実よりも現実っぽかったですから。

大人気のゴ・ディラですが、石原さとみ演じる安野モヨコ・ミサト・ラングレー、間違えた、カヨコ・アン・パタースンに対しては賛否両論だそうですね。
個人的には、石原さとみのこの演技には大絶賛です。さすがここまで難しい役を演じきったなと。アメリカを主人公にせず、且つ日本の現状でどうなっていくかをよりリアルに表現するためにはこの立ち位置キャラが絶対不可欠でした。そしてエヴァでもそうだけど、こういう絶望しかない物語って、こういうキャラがいないと暗くなりすぎちゃって辛いのですよね。
3度目の原発は使いたくない!のセリフでは、思わず泣いちゃいました。

見るつもりなかったのですが、大絶賛する友達が多かったのでその言葉を信じて観に行って大正解でした。映画ってやっぱり最高!
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