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【カエルの楽園】ローラはこの世界の一体誰だ。 [小説]

GWが始まりました。毎日が素晴らしきゆとりですがなにか。
大好きなディカプリオ主演のアカデミー賞受賞作「レヴェナント 蘇えりし者」を見てきましたが、久々にここまで面白くない映画を見たという感想です。
ブラピの「ツリー・オブ・ライフ」やマイケル・キートンの「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」クラスの詰まらなさでした。たまにはネガキャンもします。

9回目の記事は2月26日に発売されていた百田尚樹さんの小説「カエルの楽園」について。
・「カエルの楽園」 2016年2月26日発売 【小説】

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百田さんといえば「永遠の0」や「海賊とよばれた男」を書いていて、どちらも泣きながら読んだ大傑作で私は大ファンです。
今回の「カエルの楽園」は泣ける話ではなく、小説としての世界への引き込み度も上記の2作品ほどのインパクトはありません。
ただしこの小説は今、多くの人が読んで考えるきっかけを作るべき大切な作品だと言えます。百田さん自身が「これは私の最高傑作だ」と言っている理由がここにあるのでしょう。

このお話は主人公の2匹のカエル、ソクラテスとロベルトが仲間を多く失った旅路の末、平和が保たれたカエルの楽園ナパージュに辿り着くところから始まります。
なぜこの国は平和なのか?この平和は永劫続くのか?今の日本を風刺した憲法9条の物語です。
正直小説としてフィクションを純粋に楽しめる作品ではないでしょう。
しかし、今この国で議論されていることを、理解できないからといって考えることをやめてしまっている人は、この小説を政治や平和を考え始めるきっかけにしてもらいたいです。
メディアが出す情報が必ずしも正しくはなく、かといってネットの情報を鵜呑みにするのは危険な時代。マスゴミと揶揄され、何を信じていいか分からないからこそ、小説という手段で国民に考えさせたい百田さんの行動力を尊敬します。

小説の中には三戒と呼ばれる「カエルを信じろ。カエルと争うな。争うための力を持つな。」という規律を国民が守って暮らしています。
そして謝りソングという歌が登場します。
しかし崖の下の大きくて凶暴なウシガエルの国から脅されるようになります。
今の平和が保たれているのは他のカエルを信じて武器を持たないからで、これからもこの戒律は変えてはいけないと扇動する頭の良いカエルがいます。デイブレイクです。
自国の危機に対策を打とうとする元老のプロメテウス、守るだけの力を持つハンニバル三兄弟、圧倒的な力を持ちつつも老いてきた鷲のスチームボート、平和を守れとデモで会議を荒らすフラワーズ、嫌われ者のハンドレッド。
多くのカエルが自分の考えを主張しながら、平和は次第に崩壊の一途を辿っていきます。
本の帯に書いてある「平和とは何か。愚かなのは誰か。」という語り文句。
これがこの物語の全てを表しています。

ナパージュ=NAPAJで起こる中国や韓国、米国との関係の変化を描きながらも作者(ハンドレッド)の主張はしっかりと見えてきます。
デイブレイク=day break(日が明けると書く新聞社)が嫌いな人はこの国の中に一体どれだけいるんでしょう。久々にカズヤ・チャンネルを見たくなりました。
Day break嫌いと言えば、「橋本×羽鳥の新番組」面白くなってきましたね。やっぱり時事ネタを討論することが一番、橋本徹さんは生きてきますね。

そろそろまとめます。
最初はカエルが平和の秘訣を探るファンタジーのように読み始めましたが、この小説の本質に気付いてからは登場人物それぞれが誰を風刺しているのだろうかと考えながら読みました。
多分百田さんはこの読み方をさせるためにこの本を書いています。
フィクションの世界に触れて考え方を100%決めることは良くないですし、恐ろしいことだと思います。
ただ、フィクションをきっかけに何かを考えて欲しいとメッセージを投げかけてくる作品はたくさんありますし、だからこそ色々な本の世界に触れるべきなのかもしれません。
今の日本を考える小さなハードルのきっかけとして、多くの人にこの本を手に取ってみていただけたらなと感じます。

ところで、今日の20時15分からNHKでトットてれびが始まりましたね、早速見ました。
満島ひかりが若かりし頃の黒柳徹子を演じる、徹子さんファンの私としては泣きそうなほど嬉しいドラマですが、ええ、第1話から泣いてしまいました。
黒柳徹子さんについてはまた今度触れられたらなと思います。
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