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【陽だまりの彼女】特大の花火と金魚のブライアン。 [小説]

ポケモンGOは世界中のど真ん中で打ちあがった特大の花火。
http://womankind.hatenablog.jp/entry/2016/07/28/200318
この人のこのブログ記事、すごく好きでした。

この前、伊豆で特大の花火を目の前いっぱいに見てきましたから、花火に例える気持ちがよくわかります。花火っていいですよね。みんなが一つの一瞬の感動を共有している空気が。
去年は気仙沼とハワイとで感動するのを見ました。来年はどんな場所で見るのでしょう。
今年の夏も、8月を迎えました。

22回目の記事は越谷オサム著の「陽だまりの彼女」について。
・「陽だまりの彼女」 2008年4月発売 【小説】

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夏の新潮文庫100冊の中からこの本を選んだ理由は、帯に「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」って書いてあったからではないですよ。キャッチコピーに惹かれたわけではないです。大事なことなので2回言いました。
冗談はこのぐらいにして、この本は私にとって久しぶりの恋愛小説でした。映画でも本でも普段は恋愛もの全然触れないので、結構新鮮でした。
そして前半からフルスピードの甘々具合。このベタ甘具合は、図書館戦争シリーズの別冊を思い出しますね。あれもかなり悶えました。

ミリオンセラーですし、松潤主演で昔映画化されていますし、かなり有名な作品だと思います。
このお話がなぜ、ただの甘々恋愛小説にならなかったのかは、絶妙な伏線の張り具合にあります。あくまで恋愛小説なんですけど、実はミステリー要素やファンタジー要素もあったりして、主人公2人の甘い日々を見守るだけの気楽な心情では読み進められないのです。
本の背表紙に書いてあるキャッチコピーはこんな感じ。
「彼女がついた、一世一代の嘘。その意味を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへ走り始める。」
編集さんってとてもセンス良いんですね、と思わず唸ってしまいました。
伏線はこれでもかってほどあったのに、私は最後の最後まで全く気付きませんでした。鈍いのかな?
でもその分ラストのスッキリ具合はさすがでした。どんな結末になるかは分かりたくもないのに段々分かってくるんですけど、なぜそうなるのかは全然想像もできなかったからです。

この作品は、主人公二人の関係の作り方とかイチャイチャしていく感じがとても素敵でした。普段ヒーローものばかり見ている私みたいな男子こそ、こういう本に時々でいいから触れるべきなのだろうなーと思います。
普段から感情移入MAXで読むので(今回の場合は浩介に対して)、嬉しかったり不安になったり、気持ちの揺れは忙しかったです。
そんな中、浩介と真緒の恋模様も好きでしたけど、一番泣けたのは真緒の両親とのやり取りでした。
子供時代の真緒への関わり方、娘への愛、そして親としての鋭い直観。ああ、やっぱり親には敵わないなーという描写がいくつかあって、理屈ではないところでその絆が効いてきたりして。もう、伏線もフラグも全部心にきます。また通勤電車で一人泣いてしまいました、なるべくホームのベンチに座ってからそういうシーンに臨もうとしているのに。

ラストはみなさんどんな感想を抱くのでしょうか?
私は少し辛かったです。でも金魚のブライアンの下りは、結構救われますね。最高の小説には極上の冗談が含まれていますから。「女子も私も男子に読んでほしい恋愛小説No.1」の陽だまりの彼女、たまにはキュンと苦しめられるような、ベタ甘な物語に触れてみませんか?
夏の文庫本としてオススメです。

最後はやっぱりザ・ビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」で終わりましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=SnQZBQSHKR0
陽だまりの彼女が大好きな人も、「50回目のファースト・キス(50 First Dates)」で好きになった人も(実は私はこっち)、真緒みたいにこの曲をハミングして幸せを感じられたら素敵ではないですか?
ヘンリーが泣きながら歌うver.もついでに。(50 First Dates)
https://www.youtube.com/watch?v=L2u4CJXiASM

Wouldn’t it be nice!
素敵じゃないか!
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